
クライネ・レビン症候群
(反復性過眠症、周期性過眠症)

病相期の期間は7日間から14日間、つまり1週間から2週間が一番多く、42日間(6週間)以上49日間(7週間)以下という人も報告されています。
中には77日間(11週間)以上84日間(12週間)以下とほぼ3か月間も病相期が続いた記録もあります。逆に言うと、3か月以上も病相期が続く場合は他の疾患を疑った方がいいかもしれません。寝たきりになる病気はたくさんあり、特に生命に関わる病気の場合には緊急に処置が望まれる場合もあります。クライネ・レビン症候群だと思っていたら他の病気だったという報告もありますので、この辺りは気を付けて頂きたいところです。
•1925年にクライネ(Kleine)によって最初に報告され、1936年にレビン(Levin)によって詳しく説明され、1942年にクリチリーとホフマン(Critchley and Hoffman)によって定義づけられ、クライネ・レビン症候群と名づけられました。
•稀な疾患で、有病率は100万人に1~2人とされ(0.0001%)、世界で600例ほどしか報告されていません。
•80%以上が10代に発症し、男女比は2:1です。成人や幼児も罹患する場合があります。
•病相期の中央値は10日間で病相間欠期の中央値は3か月。
•症状の持続期間は中央値14年。
病相間欠期の期間ですが、3か月以下が一番多く、次に3か月から6か月、6か月から9カ月となっており、1年半の間に集中しています。クライネレビン症候群の症状としては病相期を1年半の間に1度以上繰り返すこととしています。



治療法
•効果的な治療法はありません。
① 病相期の症状が深刻でない場合は、積極的治療を控えることが推奨されます。親の病気の理解を促進し、患者を支えることが望まれます。
② 学校、仕事は症状が治まるまで調整(休む)必要があります。(安全で快適な環境で、患者が親御さんなどの監督下で自宅で休むことが推奨される)
③ 患者が一人で歩き回ったり、車を運転することは控えるべきです。
④ うつ状態や、不安の症状は注意深くモニターし、対症療法を行うべきです。
⑤ また過眠の対症療法として“起きる”薬は有益である可能性があります。
⑥ 病相間欠期には睡眠覚醒時間をきっちり管理し、アルコール摂取を控えたり、風邪などを引かないように気を付けます。
参考文献
Mitchell G Miglis and Christian Guilleminault. Kleine-Levin syndrome: a review;Nat Sci Sleep. 2014; 6: 19–26.
Arnulf I, Zeitzer JM, File J, Farber N, Mignot E. Kleine-Levin syndrome: a systematic review of 186 cases in the literature. Brain. 2005;128:2763–2776.